
組合設立70周年 を迎えるにあたって
大阪府印刷工業組合理事長
大興印刷株式会社 代表取締役
髙本 隆彦
おかげさまをもちまして、大阪府印刷工業組合は、昨年、設立70周年という大きな節目を迎えることができました。
この長きにわたる歩みを支えてくださった組合員企業の皆さま、関係各位のご尽力に心より感謝申し上げます。
今回、70周年記念式典を迎えるにあたり、私たちは“ツナゲル”というテーマを掲げました。
この言葉には、「次の世代へ未来に“ツナゲル”」意味はもちろんのこと、
「組合員企業同士を“ツナゲル”」
「伝えたい内容を伝えたい相手に”ツナゲル”」
「印刷業界の枠を超えた周辺の産業と”ツナゲル”」など、
何かと“ツナゲル”ことによって「印刷+α」を実践できる可能性を包括しています。
それは、受動的に“ツナガル”のではなく、自らの強い意志で他者と能動的に“ツナゲル”という想いが込められています。
かつて、印刷は「正確に情報を伝える」という「情報ツール」としての“実用性”が重視されていました。しかし、現代では、「感情に触れる」「記憶に残る」「共感を呼ぶ」といった“意味性”が強く求められるようになっています。
デジタルがあふれる時代だからこそ、「紙か、デジタルか」といった二元論ではなく、「紙も、デジタルも」互いを補完しあい、コミュニケーションの総量と質を高めることが可能になると考えます。
手に取れる質感、紙の温もり、感性に訴えかける印刷の表現力が、コミュニケーションの中でより深い意味を持ち始めているのです。
今回の式典では、副題に「ワクワクするぜ!印刷の未来」を掲げています。
これは、私たち印刷業界が今なお変化と進化の只中にあり、印刷の力で未来をもっとより良く・面白くできるという確信を表す言葉です。
“ワクワク”とは何か?
それは未来の可能性を信じることです。
AIやデジタル技術との融合、環境に配慮したグリーンプリンティング認証制度や情報分野におけるメディアユニバーサルデザイン(MUD)への取組、商工組合としては日本初のCSR認証制度など、様々な取り組みを通じて企業の社会的責任を果たしながら、アートや教育・福祉分野とのコラボレーションなど、「印刷+α」の可能性が無限に広がる時代が、まさに目の前に来ています。
この度の70年の軌跡を振り返るとともに、印刷が生み出す“新たな価値”に触れ、未来への“ワクワク”を感じていただければ幸いです。
結びに、今回の70周年記念事業の開催にあたり、ご尽力いただきました全ての皆さまに深く感謝申し上げるとともに、大阪府印刷工業組合がこれからも印刷業界に貢献できる、未来へ“ツナゲル”存在であり続けられるよう、引き続きのご支援・ご協力のほどお願い申し上げます。
2025年4月1日