浦久保実行委員長 メッセージ

70周年を機に、「未来を刷る」ための挑戦へ

大阪府印刷工業組合70周年実行委員長
株式会社一心社 代表取締役社長

浦久保 康裕

大阪府印刷工業組合は、本年創立70周年という大きな節目を迎えます。

この70年の歩みは、組合員各社のたゆまぬ努力と業界への誇り、そして社会からの信頼によって築かれたものです。しかし今、印刷業界は大きな変革期にあります。少子高齢化、人口減少、急速に進むデジタル化──印刷需要が減少し、組合員数もこの10年で半減するなど、従来のモデルでは持続的成長が困難な時代を迎えています。

このような時代だからこそ、私たちは「何を残すのか」ではなく、「これから何を創るのか」に目を向けなければなりません。印刷という行為が「伝える」だけでなく、「感じる」「価値を生む」ものであるとすれば、そこには無限の可能性が広がっています。アート、教育、福祉、地域社会との連携──印刷を“インフラ”から“共創のプラットフォーム”へと進化させるタイミングが、まさに今なのです。

70周年記念事業では、従来の枠を越えた新たな印刷の価値を再発見することに重点を置きました。組合員の皆さんが自社の強みを再認識し、他業種やクリエイターと協働する「印刷+α」の視点を持つこと。そして、次の一歩を踏み出す勇気を得ること。それこそがこの取り組みの最大の成果であり、未来への布石です。

記念事業を単なる“祝賀”で終わらせず、次の10年・20年へ向けた「未来を刷る」きっかけにしたい。そうした想いを持って、70周年記念事業に組合員のみなさまと共に取り組んで行きたいと思います。